インフルエンザにはウイルスと菌があります。毎年冬になると流行しているインフルエンザはウイルスが原因になっている感染症です。インフルエンザ菌は1892年にインフルエンザの患者の痰から発見された細菌でインフルエンザの原因と考えられていたのでインフルエンザ菌と名前が付けられましたが、その後インフルエンザの原因はウイルスである事がわかりました。名前はそのまま残り、今もインフルエンザ菌と呼ばれています。今回は同じ名前でも全く違うインフルエンザウイルスとインフルエンザ菌について調べました。

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インフルエンザウイルスとは

インフルエンザウイルスにはA型・B型・C型の3種類があります。A型のウイルスには144種類の亜型(あがた)があり、人以外の鳥・豚・馬などにも感染して変異しやすいため免疫を持っている人が少なく流行しやすいという特徴を持っています。亜型とは派生的な型、サブタイプ型という意味です。B型インフルエンザウイルスにはビクトリア系と山形系の2種類ありおもに人に感染します。ウイルスは変異しますがA型ほどではなく免疫を持っている人もいるので小さな流行を繰り返します。A型が流行した後にB型が流行する事が多く4月に入ってもB型インフルエンザの感染者がいる場合もあります。

C型インフルエンザウイルスはA型・B型と違いウイスルの変異がないため一度感染したら免疫がつき二度感染することはほとんどありません。幼児期に感染する人が多いので大人の感染者はあまりいません。症状も他の2つのインフルエンザと違い鼻風邪程度で軽症の場合が多いのでC型インフルエンザに感染した事に気が付かず一般の風邪と思っている場合が多いようです。ただ、2歳以下の乳幼児が感染すると重症化することもあるので注意して下さい。

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ウイルスと菌の違い

細菌は細胞構造を持っていて自分自身で増える事ができます。対してウイルスは細胞構造を持たず自分で増える事ができません。そのため増殖しようとして他の生物に寄生し、ウイルスが感染した細胞はウイルスが増殖して細胞外にでてくるため死滅します。外に出たウイルスがまた別の細胞に侵入し増殖してたくさんのウイルスを排出する事を繰り返して増やしていきます。

治療法も違います。細菌では一部に耐性菌がありますが、一般的にペニシリンなどの抗生物質が有効です。ウイルスには抗生物質は効きません。イナビル・リレンザ・タミフルなどの抗インフルエンザ薬はウイルスの増殖を抑える薬でウイルスそのものを消滅させるものではありません。

インフルエンザ菌とは

インフルエンザ菌とはグラム陰性桿菌の一種です。グラム陰性桿菌とは棒のような形をした菌でグラム染色で染まらない細菌のことです。他には大腸菌やサルモネラ菌、レジオネラ菌などがあります。インフルエンザ菌は常在菌という多くの人の体に存在していて普段は病原性のないもので、成人で5~10%。子供は50%位の人の鼻の奥に存在しています。インフルエンザ菌にはa~fまでの6種類あり、ヒブワクチンはこの中のインフルエンザ菌b型の感染症を予防するものです。

インフルエンザ菌によるヒブ感染症

インフルエンザ菌の中でもヘモウィルスインフルエンザ菌b型という名の頭文字をとった「Hib ヒブ」が有名で、生後2ヶ月から接種できるヒブワクチンはこれを予防するためです。ヒブ感染症を発症すると細菌性髄膜炎を引き起こす事もあり薬の効果がない耐性菌も多いので治療は難しく、脳に後遺症が残ったり亡くなってしまう事もあります。ヒブ感染症は生後6ヶ月頃からかかる乳児が増えてくるのでそれまでに3回の接種をしておくと安心ですが、予防接種には副反応はつきものでどんな予防接種にもあります。注射した所が少し腫れてしまう程度のものから、発熱があったり、最悪の場合は接種の翌日に突然死してしまう例もあります。これについては公式には「因果関係は不明」とされています。予防接種については保護者がよく調べて受けるか受けないかの判断をするしかないですね。

ヒブ感染症の主な症状

ヒブ感染症は5歳未満の幼児に多くみられその中でも4ヶ月~2歳半の子供に多く発症します。発症すると発熱、嘔吐などがみられ初期症状は風邪と似ているのでヒブ感染症を見分けるのは難しいとされています。急にぐったりしてけいれんや意識障害が起こりヒブに感染した事に気が付く事が多いようです。ヒブ感染症を発症すると髄膜炎を起こす事も多く、髄膜炎とは脳と脊髄を覆う髄膜に炎症が起こる病気で「細菌性髄膜炎」「ウイルス性髄膜炎」に分けられます。ヒブは細菌なので「細菌性髄膜炎」になり、「ウイルス性髄膜炎」よりも難聴・発達障害・運動障害などの後遺症などになりやすいとされています。

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まとめ

インフルエンザウイルスとインフルエンザ菌の違いとインフルエンザ菌の中でも有名な「Hib ヒブ」感染症について調べてみました。同じインフルエンザという名前がついていますがウイルスと菌では全く違います。インフルエンザウイルスでは代表的なA型・B型が季節性ですが、ヒブに季節性はなく一年中感染の可能性があります。子供の発熱は突然起こる事が多くビックリしてうろたえてしまう事もありますが、親がいろいろな病気を知っている事でその病気にあった治療を早くに受けられる事にもつながると思います。

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